残留抗生物質試験

細胞加工物に残留する抗生物質について、安全上問題がないレベルかどうか、確認することが可能です。

製造工程由来不純物試験とは

「再生医療等製品(ヒト細胞加工製品)の品質、非臨床安全性試験及び臨床試験の実施に関する技術的ガイダンス」(平成28年6月14日付け薬機発第0614043号)では、「製造工程由来不純物の安全性評価」が品質評価項目として挙げられています。
製造工程由来不純物とは原材料に存在するか、又は製造過程で非細胞・組織成分、培地成分、資材、試薬等に由来し、製品中に存在する可能性があるもので、かつ、品質及び安全性の面からみて望ましくない物質です。例えばウシ胎児血清由来のアルブミン、抗生物質等がそれにあたります。
これらの物質に対しては存在の否定や存在許容量の規定をすることと記されています。(「ヒト(自己)由来細胞や組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性の確保について」平成20年2月8日薬食発第0208003号)

残留抗生物質試験について

細胞加工物を製造する際に、雑菌等の増殖を抑制するために抗生物質を使用するケースが多いですが、抗生物質が細胞加工物に残留した場合、患者に悪影響を及ぼす可能性があります。
抗生物質は洗浄などの工程により、除去もしくは低減が可能であるので、細胞加工物に残留する抗生物質が検出されないか、安全上問題ないレベルであることを評価する必要があります。

試験方法・特長

高速液体クロマトグラフ質量分析計LC/MS/MSを用いて、培養細胞、培養組織、培地(液体、固体)、洗浄液など、さまざまの媒体中の微量残留抗生物質の測定法開発からバリデーション試験の実施、濃度測定まで受託が可能です。

基礎研究レベルの実験から、申請データに用いる信頼性基準試験まで対応いたしております。

分析・試験項目

生体試料中の微量濃度測定の一例(抗生物質)

アミノグリコシド系抗生物質ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン
β-ラクタム系抗生物質ベンジルペニシリン(ペニシリンG)、アンピシリン、バカンピリシン、セファレキシン
ポリエン系抗生物質アムホテリシンB
抗腫瘍性抗生物質マイトマイシンC
※汎用の抗生物質は網羅しております。その他の抗生物質も対応可能ですので、お問い合わせください。

残留不純物について

バイオ医薬品や再生医療製品、細胞医薬品の製造においては、その工程で様々な添加剤が使用されます。
それらの添加物は最終製品中には不要であり、工程管理上の精製評価、あるいは製品評価として、製造工程由来の不純物確認が求められています。
抗生物質以外の残留不純物に関しても対応可能な場合がございます。お気軽にお問い合わせください。

詳細に関するお問い合わせはこちらからお願いいたします

メール:CellCulture@sdc.shimadzu.co.jp