エンドトキシン試験

再生医療等製品や特定細胞加工物では、無菌試験、マイコプラズマ否定試験と並んで、エンドトキシンの検査が必須となっています

エンドトキシンとは

エンドトキシン(和名:内毒素)とは細菌の細胞内に保有され,その菌体の破壊によって遊出してくる毒素であり、グラム陰性細菌の細胞壁に由来するリポ多糖です。エンドトキシンは血中に入ると極微量で発熱を惹起し、場合によってはエンドトキシンショックから臓器不全など重篤な症状が生じることもあります。

エンドトキシンは環境中に広く存在しているグラム陰性菌に由来すること、滅菌などにより菌が死んでも残存すること、また耐熱性を有し容易に失活しないこと、医薬品などの製造工程で混入する可能性があることから、医薬品などの安全性確保のために管理すべき物質であるとされています。再生医療等製品や特定細胞加工物においては培養細胞が体内に移植されることから、安全性確保のためにエンドトキシンの管理は重要です。

エンドトキシン試験について

エンドトキシン試験法は、カブトガニ(Limulus polyphemusまたはTachypleus tridentatus)の血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて、グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出または定量する方法です。この試験法はエンドトキシンの作用によるライセート試薬のゲル形成を指標とする「ゲル化法」、光学的変化を指標とする「光学的定量法」の二つの方法に大別されます。さらに光学的定量法には、ライセート試薬のゲル化過程における濁度変化を指標とする「比濁法」、合成基質の加水分解による発色を指標とする「比色法」があります。

ヒト由来細胞や組織を加工した医薬品等(再生医療等製品、特定細胞加工物など)のエンドトキシン試験は最終製品に対して行われ、その基準は日本薬局方等を参考とすることとされています。(「ヒト(自己)由来細胞や組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性の確保について」(薬食発第0208003号)、「ヒト(自己)由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針に係るQ&Aについて」(事務連絡平成20年3月12日))

当社では日本薬局方に準拠した比色法によるエンドトキシン試験の受託が可能です。

エンドトキシン試験 比色法

光学的定量法のうち、比色法はエンドトキシンとライセート試薬の反応により、発色合成基質から遊離される発色基の量を吸光度、または透過率で測定することにより、エンドトキシンを定量する方法です。
比濁法、比色法では試験の精度と有効性を保証するために、予備試験として「検量線の信頼性確認試験」、「反応干渉因子試験」を行う必要があります。
一般的に比色法は感度が高いため、被験試料のエンドトキシン規格値が低値に設定されている場合や、反応干渉因子試験の結果、被験試料を希釈する必要がある場合に適しています。

サービス名
エンドトキシン試験 比色法

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