三次元細胞培養基材 HYDROX

三次元ナノファイバー「HYDROX」はポリサルコシン-ポリ乳酸ポリマーを用いた今までにない新しいタイプの三次元細胞培養基材です。 細胞懸濁液を播種するだけで、様々な種類の細胞の3次元培養が可能です。

HYDROX ~三次元細胞培養基材~

現在、三次元培養では主に動物由来成分が細胞同士、および、細胞と細胞外マトリックスの相互作用を促進する足場材として用いられています。しかし、動物由来成分を使用すると再現性や安全性、取り扱いの難しさが課題になっていました。
株式会社島津製作所 三次元ナノファイバー「HYDROX」(ハイドロックス)はポリサルコシン-ポリ乳酸ポリマーを用いた今までにない新しいタイプの三次元細胞培養基材です。
細胞懸濁液を播種するだけで、様々な種類の細胞の三次元培養が可能です。

HYDROXの特徴

  • 化学合成ポリマー由来
  • 室温保存が可能なready-to-use
  • 細胞を播種するだけでスフェロイドを形成
  • 培養後の細胞回収が容易
  • 肝・神経細胞の培養において有用性データ確認済

三次元ナノファイバーHYDROXについて


HYDROXは動物由来成分を使用せず、ポリ乳酸とポリサルコシンからなる両親媒性ポリマーを原料とする粉末試薬です。



エタノールで溶解したHYDROX原料ポリマー粉末を培養プレートに滴下し、乾燥させて乾燥ゲルをプレート底面に形成します。

  1. 作成したゲルに細胞懸濁液を添加する。
  2. 乾燥したゲルが水分を吸収し三次元ナノファイバー「HYDROX」を形成する。
  3. その過程でナノファイバーにトラップされた細胞が凝集し、三次元の細胞塊が形成される。
  4. さらに過剰量の水分を添加することで、HYDROXナノファイバーの構造が壊れるため、細胞塊のみを容易に回収が可能である。

HYDROXを用いた細胞培養例


ヒトiPS細胞から14日間分化誘導した未成熟肝細胞を、HYDROXを用いて三次元的に培養しました。


HYDROXを用いて培養した未成熟肝細胞は、時間経過とともに細胞同士が凝集し細胞塊(スフェロイド)を形成した。
HYDROXプレート上で肝成熟化培養を行ったiPS細胞由来肝細胞スフェロイドを回収し、代表的な肝細胞の機能を評価した結果、HYDROXを適用したスフェロイドでは各種肝機能関連機能(アルブミン分泌量、尿素合成量、AAT陽性割合、CYP3A4活性)が向上していることが示された。

※AAT (Alpha-1-Antitrypsin):主に肝細胞により合成される糖タンパク質
※CYP3A4:肝細胞の特異的機能の一つである薬物代謝に関わる分子。主に肝臓に存在する

文献情報

製品に関するお問合せ

製品情報

製品名 三次元ナノファイバー「HYDROX」粉末
レギュラー
三次元ナノファイバー「HYDROX」粉末
ラージ
製品コード 66025 66026
統一商品コード 302660254 302660261
JANコード 4987302660254 4987302660261
包装 30 mg 140 mg
貯法 5~35℃ 5~35℃
使用期限 24ヶ月 24ヶ月
希望納入価格 25,000円 75,000円

※技術的なご相談、納期等についてはお気軽にお問い合わせください。
※「HYDROX」は株式会社島津製作所の登録商標です。