マイコプラズマ否定試験試薬Myco Finder

簡便かつ迅速な測定が可能なマイコプラズマ否定試験キット

日本薬局方におけるマイコプラズマ否定試験(核酸増幅法(NAT)による検出法(C法))に用いることが可能なマイコプラズマ遺伝子検出キットMyco Finderのご紹介です。4ステップの簡便かつ迅速な検出が可能です。

マイコプラズマとは?

  • 人工培地で発育可能な最小の細菌。分類学上はモリキューテス網に位置するマイコプラズマ属、ウレアプラズマ属、スピロプラズマ属、アコレプラズマ属等の細菌をマイコプラズマと総称されています。数百種類が知られており、形態は球体、フィラメント状、らせん状等、菌種によって多様です。寒天培地上では、一般に目玉焼き状のコロニーを形成します。
  • 細胞壁がなく可塑性を示すため、ろ過滅菌フィルター(孔径0.22μm)でも捕捉しきれません。またβ-ラクタム系抗生物質に感受性がありません。
  • 動植物界に広く分布し、自然界では宿主特異的な感染を示しますが、培養細胞では試薬類(血清等)や培養作業従事者等を介して、宿主域を超えて感染し、汚染の原因となります。
  • 培養細胞の表面または内部に寄生し、共存して増殖します。培養液の混濁や細胞変性を起こさないため、マイコプラズマ汚染が生じても気づきにくいことが知られています。

再生医療等製品や細胞を用いた医薬品などの安全性確保の検査として、マイコプラズマ否定試験は必須となっています

マイコプラズマ否定試験法は日本薬局方参考情報に培養法(A法)、指標細胞を用いたDNA染色法(B法)、核酸増幅法(NAT)による検出法(C法)の3つの手法が規定されています。
本製品は日本薬局方におけるマイコプラズマ否定試験(C法)に用いることが可能です。

Myco Finderの特徴

簡便かつ迅速な測定が可能

  • 反応試薬がテストストリップに固相化されているため、試験時に溶解するのみで測定可能であり、煩雑な試薬調製が不要です
  • 増幅開始から一時間以内での迅速な検出が可能です
  • 10cfu/mL以下の高い検出感度を示します
  • 冷蔵保存(2~8℃)が可能です
  • 日本薬局方、欧州局方、米国局の3局方に対応している試薬です

コンタミネーション判定が可能

検体への陽性コントロールによるコンタミネーションが生じた際、Myco Finderでは検体に起因する陽性結果か、陽性コントロールに陽性結果かの判別が可能です。

特殊な設計により陽性コントロールでは、FAM・HEX・ROXの3つの蛍光シグナルが陽性を示すが、検体に起因したマイコプラズマではFAMのみ蛍光シグナルが陽性となる。

操作は4ステップで可能

測定操作は4ステップで完了です
※検出には白色と透明のストリップを選択することができます

使用するリアルタイムPCR装置に応じて、テストストリップAにサンプルを添加するかBに添加するかを選択することが可能です。

お客様の声

マイコプラズマ否定試験試薬Myco Finderを実際にご使用していただいているお客様からお話を伺いました。

試薬性能

特異性試験

Mycoplasma argininiMycoplasma fermentansMycoplasma hyorhinisMycoplasma pneumoniaeMycoplasma oraleMycoplasma salivariumAcholeplasma laidlawii
7菌種の菌体由来ゲノムの検出が可能であることを確認しています。

検出感度試験

上記7菌種について、3つの異なる希釈系列を作製し、合計24回の試験を実施しました。その結果、95%以上の確率で10CFU/mL以下の検出感度を有することを確認しています。

頑健性試験

サンプル添加量を既定の25μLから増減し、許容範囲の評価を行いました。

バリデーションデータ

本製品を用いた簡易バリデーションデータは下記よりご参照ください。

さらに詳細なバリデーションデータのご用意がございます。
詳しくは下記までお問合せください。

各種リアルタイムPCR装置のプログラム設定例

CFX Opus

技術情報

文献情報

Myco Finderをご使用いただいた文献を掲載しております。

  • Detection of Mycoplasma Contamination in Transplanted Retinal Cells by Rapid and Sensitive Polymerase Chain Reaction Test. Sunao Sugita., et al. Int. J. Mol. Sci. 2021, 22,
  • マイコプラズマ否定試験に用いるマイコプラズマ参照品に関する研究(第2 報) 第十七改正日本薬局方収載NBRC 由来マイコプラズマの核酸増幅法(NAT)による検出感度に関する共同比較研究. 湯之前 雄太 他, Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science Vol. 51, No. 4, 224 ~ 233(2020)

オンラインセミナー

セミナーアーカイブにてMyco Finderに関するセミナーを視聴いただけます。

  • NAT法を用いたマイコプラズマ否定試験について
    再生医療等製品やバイオ医薬品の安全性検査でのマイコプラズマ否定試験について、NAT法の試験キットであるMyco Finderをご紹介いたします。キットの操作方法だけではなく、局方でのバリデーションの考え方等、試験方法全般についても詳しくご説明をいたします。
  • 安全性試験試薬について(MycoFinder)
    核酸増幅法(NAT)による試験キット「マイコプラズマ否定試験試薬 Myco Finder」のバリデーションデータを中心に、製品紹介をさせていただきます。「Myco Finder」のバリデーションデータに追加しました抽出キット・測定機器に関するデータもご紹介いたします。

関連製品

日本薬局方マイコプラズマ否定試験A法(培養法)に使用可能な液体培地のご用意もございます。

初期導入サポート

本製品を用いた「初期導入サポートサービス」をおこなっております。
詳しくは下記をご参照ください。

製品仕様

1キット48テスト

  • テストストリップA(白色、8ウェル) ……… 6ストリップ
  • テストストリップB(透明、8ウェル) ……… 6ストリップ
  • 陽性コントロール(2×10³copies/μL) ……… 1本
  • 陰性コントロール(DNase Free Water) ……… 1本
  • フラットキャップ ………………………………… 6本

必要に応じて測定には下記器具、および機材をご準備ください。
核酸抽出キット、ミキサー、マイクロピペット、フィルターチップ(滅菌済み)、遠心分離機、遠心チューブ、リアルタイムPCR装置

製品情報

製品名Myco Finder
製品コード69202
統一商品コード302692026
JANコード4987302692026
包装48テスト
希望納入価192,000円
貯蔵方法冷蔵保管(2~8℃)
製造後の使用期限12ヵ月間

取扱上の注意

  • 本試薬は研究用試薬であり、それ以外の目的に使用しないでください。診断目的には使用できません。 
  • 取扱説明書をよく読んでから使用してください。取扱説明書に記載された操作方法に従って使用してください。 
  • すべての検体は感染性のあるものとして扱い、防護具(眼鏡、手袋、マスク等)を着用の上、十分に注意をして操作を行ってください。
  • 使用条件や保管状況等にも種々の要因にもよりますが、開封後は吸湿による性能低下が懸念されますので、出来るだけ早くご使用ください。