Cell Analysis Webinar 2024「AI画像解析で進化する細胞研究!スフェロイドの形態変化を可視化する」

Cell Analysis Webinar 2024
AI画像解析で進化する細胞研究!スフェロイドの形態変化を可視化する

テーマ:

 演 題 : 栄養因子を鍵とした幹細胞分化技術の革新とスフェロイド形態解析の可能性

 講 師 : 東京科学大学 生命理工学院 白木 伸明 先生


 演 題 : 細胞スフェロイドのAI画像解析による分化段階の評価

 講 者 : 株式会社島津製作所 山本 周平

開催日:

 2025 年 3 月 12 日 (水) 16:00 ~ 
 ※リアルタイムでの質疑応答を実施予定です

内 容:

多能性幹細胞の最新の分化誘導手法と、AI形態画像解析による分化の進行度の評価方法をご紹介します!

本オンラインセミナーでは膵臓・肝臓・小腸といった内胚葉系臓器の分化誘導技術の開発で、多数の実績をお持ちの東京科学大学白木先生より、栄養因子と微量金属元素に着目した分化誘導系を解説していただきます。
また、この分化誘導過程におけるスフェロイド形態変化を可視化し、分化の進行度を評価した島津製作所の画像解析ソフトウェアを紹介します。


白木先生 ご講演概要紹介

多能性幹細胞(Pluripotent Stem Cells, PSCs)は、再生医療や創薬研究において重要な役割を果たしており、すでに細胞治療や創薬スクリーニングの分野で実用化が進んでいる。より広範な応用に向けては、PSCsを特定の細胞タイプや組織へと高効率かつ安定的に分化させる技術の確立が不可欠であり、その鍵を握るのが、「細胞」「足場」「分化シグナル」の3要素である。
演者は、この3つの要素に着目し、膵臓・肝臓・小腸といった内胚葉系臓器の分化誘導技術の開発を行ってきた。特に、培地に含まれる栄養因子の役割に注目し、必須アミノ酸であるメチオニンや微量元素である亜鉛が、PSCsの未分化状態の維持および分化制御に重要であることを報告している (Cell Metab 2014, Cell Rep 2022, Stem Cells 2023)。また、膵臓分化を促進する化合物の探索を行い、より効率的な分化誘導手法の確立にも取り組んでいる (Nat Chem Biol 2014, Stem Cells 2024)。
近年、細胞分化過程の評価手法として、スフェロイドの形態変化が有用であることが注目されている。PSCsの膵臓細胞への分化過程においても、スフェロイドの形態が分化段階ごとに変化することが知られており、これらの形態情報を定量的に解析することで、分化の進行度をより精密に評価できる可能性がある。我々は、ヒト初代肝細胞(PHH)の接着性向上を目指した研究において、免疫染色画像を用いた機械学習による細胞接着性の定量評価を確立し、EPAC2の活性化がPHHの接着性を向上させるとともに、PSC由来の肝細胞において胆管形成を誘導することを明らかにした (Sci Rep 2023)。この成果を踏まえ、画像解析が分化誘導法の最適化において極めて有用な手法であると考え、膵臓分化の評価への応用可能性を検討している。
本セミナーでは、演者がこれまでに構築してきた内胚葉系細胞の分化誘導系を紹介するとともに、スフェロイド形態変化の可視化と細胞分化評価への応用について議論したい。


※詳細・申込リンク先は島津製作所ホームページとなっております
※申込期限:2025年3月11日(火) 17:00まで
※競合・同業者様のご参加はご遠慮いただいております。